2013.8/17.

大文字

昨日、8月16日は京都の風物詩、大文字でした。この大文字は送り火と呼ばれるお盆の行事のひとつで、現世に帰ってきた死者の魂をふたたびあの世に送り出す行事です。京都では5つの山に火で文字や絵を描き盛大な送り火を行います。如意ヶ岳の大の文字が最も有名なので大文字と総称されますが、その他には妙法の文字、西山の左大文字、鳥居型、舟形があります。

僕はここ最近、金閣寺近くの友人宅で行われる大文字鑑賞食事会に招かれます。このお家は左大文字が灯される山のすぐ麓にあり、間近に炎まで見える左大文字がみることができます。

この食事会に僕は知る人ぞ知る、中村屋のお寿司を持って行きました。

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実はこのお寿司の詰め合わせ、カッパ巻、こうこ巻(たくわん巻のことです。ちなみに)、そして稲荷寿司の詰め合わせという至ってシンプルなものです。すし飯も少し甘めだし、お稲荷さんはお揚げがかなり甘辛く煮てあります。しかし、この折り詰め、南座に出演する歌舞伎役者に凄く人気があり、12月の顔見世興行の時には連日、役者にご贔屓さんからこのお寿司が届けられるという曰く付きのものなんです。ところが、店らしい店も無く、のれんも掛かっていないので、場所を聞かなければ、全く気づく事もないような町屋でつくられているのです。僕も紹介してもらって注文するようになりました。でも、別に紹介者がなければ注文を受けないような、一限さんお断りのような店じゃないんですよ。電話を事前にして予約して、自分で取りに行くなら誰でも注文できます。電話番号は075 781 4048です。是非、京都にお越しの折にはお試しください。一人前から折はあります。写真のは上下2段になった5人前の折です。

さて、肝心の大文字ですが、如意ヶ岳の大が8時に点火されますが、僕達の左大文字は8時15分に点火です。食事に夢中になっている間にすでに点火されていました。

気がつけばご覧のとおり。

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山は赤々と大の字に燃え盛っていました。

僕達も浴衣を着て記念撮影です。

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京都では大文字が終わると、涼しくなると言われています。夏も終わるんだなあと感じるとちょっと寂しく感じる大文字、小さな頃から大好きでした。毎年必ず新門前の店の大屋根に天窓から上って怖々眺めたものです。そんな思い出もあって、大人になってからは大文字を見ると、ちょっとセンチメンタルな気持ちになってしまいます。これを見ずには夏は終わらない!!そんな、京都人にとってはとても大切な行事です。

蛇足ですが、よく、大文字のことを大文字焼きという観光客がいます。京都では絶対に大文字焼とは言わないので、これからは焼を抜いて大文字といいましょうね。怖い京都人は陰で絶対に馬鹿にしますよ。大文字焼きやなんて、なんかお菓子みたいやわぁ。と。  ts

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