2014.7/7.

デミタス コスモス 宝石のきらめき★カップ&ソーサー@細見美術館

すでに岐阜県現代陶芸美術館での展示をご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、京都では細見美術館にて7月8日~9月28日まで、アンティークのデミタスカップ&ソーサーの展覧会が開催されます。

今日はその報道内覧会に出席させて頂いたので、その様子をご紹介します。撮影許可を頂いたので、貴重な作品の数々も!!

この展覧会の作品のほとんどが、上写真中央の鈴木さんご夫妻が長年にわたり収集された300点以上のコレクションによって構成されています。

ロムドシン代表の塩谷さんによるギャラリートークは勉強になることばかりでしたし、このコレクションの内容の濃さとレヴェルの高さには圧巻です。

展示の最初を飾っているのは、こちらの鮮やかなグリーンのデミタスカップです。

ロイヤル・ドルトンの1925年頃のもので、セットでお持ちとのこと。

鈴木さんのお祖父様がお仕事で海外に行かれた際に購入し、もともとお家にあったものだそうです。コレクションのきっかけともなる記念碑的な存在のカップ&ソーサーです。

そして展示は、マイセン、セーブル、ウースター、、、と窯ごとに分類された作品が丁寧な解説とともにずらっと並びます。

 

今回の展示のなかでも、メインピースとなるのはおそらくこちらではないでしょうか・・・

ロイヤル・ウースター/上絵金彩ジュール透彫 1880年代

写真ではお伝えできませんが、この驚くべき透かし彫りと、気の遠くなるジュール装飾は必見です!

こうなると、もはや使う事は不可能ですね。ウースター美術館所蔵の同形の作品には上絵がないそうなので、それにも勝る作品ということになります。

ジョージ・オーエンという透し職人の手によるもので、誰にもテクニックを教えなかったので、このレヴェルの仕事はこの人にしかできないのだとか。

 

一点一点が重要なものばかりなので、書き出すときりがありませんが、私の一番心躍るカップ&ソーサーはこちらでした。

3点とも KPM ベルリン/上絵金彩花文 1901年~1925年

19世紀末フランスで開花したアール・ヌーヴォー様式は、ヨーロッパ中に広まり、ドイツでは、ユーゲントスティールと呼ばれ流行しました。

その典型的なスタイルを、カップ&ソーサーに取り入れた作品です。形状と絵付けをトータルに考えたデザインと、それを生みだす技術には溜息が出るばかりです。さすがは、ベルリンの王立窯ですね。

 

今回の内覧会の中で、鈴木さんが感じられるデミタスカップ&ソーサーの魅力について、この様なことをお話されていました。

大きくて立派なものではなく、こんなに小さな中に細心の注意と趣向を凝らし贅を惜しみなくつくした‘凝縮された美しさ’にあると。

小さな中に果てしない美を見出す、ということでしょうか。正にデミタス コスモス!

 

細見美術館での展示が終わると、広島はつかいち美術ギャラリーで、その後東京三井記念美術館に巡回します。

皆様もお出かけになってはいかがでしょうか。限られた時間だったので、私ももう一度見にいってみようと思います。

by t.o.

 

 

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