2016.4/4.

夜桜 祇園白川

うちの店から徒歩2分のところにある、白川通り。桜の季節になると、一週間だけ、ライトアップが行われます。石畳の通りの横には白川が流れ、そこに恐らく京都では一二を争うほど有名な巽橋という小さな橋がかかっています。白川の向こう側にはお茶屋さんや料理屋さんの店があり、風情満点です。

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満開の今頃は桜のトンネルのようになります。

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白川のほとりにはこの地をこよなく愛した吉井勇の歌碑があります。

かくかくに祇園は恋し寝る時も

枕の下を水のながるる。

この吉井勇の歌は、祇園の思いを詠んだもので石川啄木らと編集を担当した「スバル」にて明治43年に発表されたものです。

当時は白川の両岸に茶屋が建ち並び,建物の奥の一間は川の上に少々突き出ており,「枕のしたを 水のながるる」はその情景を詠んでいます。しかし,第二次世界大戦下の昭和20年3月,空爆の疎開対策に白川北側の家々は強制撤去され,歌碑が建っているこの地にあった茶屋「大友(だいとも)」も立ち退きを強いられたために、今はその当時の面影もありませんが、明治の歌人が優雅に祇園のお茶屋遊びを愛したということを感じられます。

昭和30年11月8日,友人たちにより吉井勇の古稀(七十歳)の祝いとして,ここに歌碑が建立されました。

歌い出しの 「かにかくに」 という言葉は とにもかくにも という意味ですが、11月8日に「かにかく祭」という祇園の舞妓、芸妓さんたちがこの歌碑に献花をおこなうお祭りの名前の由来となっています。  ts

 

 

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