華道家 境先生による法話とお花の会
「境 将希 ラリックに生ける」ただ今開催中です。
先日特別イベントの境さんによる法話会を開催いたしました。
ご参加いただいた皆様ありがとうございました。


華道家であり住職でもある境さん。
華の心から仏教の教えまで、大変学びのあるお話を聞かせていただきました。
花材として使用されている古木や笹などは、お寺のある奈良県吉野の山で境さんが実際に歩いて見つけてきたもの。
今回展示していたある古木について、鑑賞された方が龍に見えると仰いました。
境さんのお寺には龍がいるそうで、展覧会を見守るために現れたのではないか、と境さんもびっくりされていました。

お話のあとは、なんと花生けのデモンストレーションも行われました。
伝統的なお生花の中でも特に技量が試されるという、水仙のお生花。
根元の「袴」をはぎ取って、葉っぱと花を一本ずつバラバラにします。

水仙の葉は全部で4枚。
一枚一枚手を加えて、反りを付けて揃えていきます。
これがすごく難しく、華道家によってやり方が全く異なるのだそう。


手を加えた葉を2枚ずつ合わせて、剣山を使わずにラリックの鉢に生けていきます。
お生花の花型である「天地人」を水仙の葉で形作っていきます。

一本の水仙を生けるために、本来の姿を分解して切ったり曲げたり傷を付け、また一本に戻すという、大変に手間のかかる工程に驚かされました。
境さんは芸術とは「虚実」であると語ります。
花という「実」に人の手という「虚」が入ることで、真実をより真実らしく見せることができる、ということでしょうか。
境先生、貴重なお話と実演までして下さって本当にありがとうございました。

会の最後には、祇園「やま岸」さんによる和食をお楽しみいただきました。
お皿や酒器はルネ・ラリックのものです。
やま岸さん、本当にすてきなお料理をありがとうございました!


展示会は、1月30日(木)まで開催中です。
会期中境さんによる手直しや新しく花が入ったり、風景が少しずつ変化していってます。
ぜひこの機会に、ルネ・ラリックと華道の心とのコラボレーションをお楽しみください。
