祇園祭の檜扇と粽
蒸し暑い日々が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
現在当店はマンダリンオリエンタル東京でのアンティークフェアに出店しております。
また、来週からは、東京と京都で、二つの催事に出店いたします。
西武池袋本店「暮らしの中の骨董マーケット」
京都アンティークフェア
このような時期ではございますが、ようやく、徐々に催事に出店させて頂けるようになってきました。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
さて京都では今年も祇園祭の季節がやってまいりました。
昨年はコロナ禍の影響で全面的に中止となっていましたが、今年は一部の山鉾が建てられるなど、少しだけ例年の雰囲気が戻りつつあるのを感じられます。(ただ、山鉾巡行や宵山行事は今年も中止となっており、山鉾の観覧も自粛が呼びかけられています。)
そんな今年の祇園祭ですが、当店でも少しでも祇園祭の雰囲気を楽しみたいと思い、店先に檜扇を生けて頂きました。
「檜扇」は祇園祭に欠かせないお花で、扇に葉の形が似ていることからその名がつけられたそうです。
祇園祭の時期になると京都中で檜扇を見かけるようになります。
丸いフォルムの花器はルネ・ラリックの「金魚」。
金魚というオリエンタルなモチーフをテーマにしたラリックの代表作です。
オパルセントガラスだけでなく、赤や、緑など様々なカラーバリエーションが作られているのもユニークな作品です。
金魚がヒレをなびかせて優雅に泳ぐ姿が描かれた、夏らしい花瓶です。
檜扇が生けられた花器「金魚」の傍に置かれているのは、長刀鉾の「ちまき」です。
祇園祭の粽には、次のような謂れがあります。
八坂神社御祭神、スサノヲノミコト(素戔鳴尊)は南海に旅をされた時、一夜の宿と食事を蘇民将来に請い、そこで厚くもてなしを受けました。
蘇民将来の真心を喜ばれたスサノヲノミコトは、疫病流行の際「蘇民将来之子孫也」と記した護符を持つ者は、疫病より免れしめると約束されました。
その故事にちなんで、祇園祭の時に授かる粽には「蘇民将来之子孫也」の護符がつけられ、京都の人々はそれを一年間、玄関先に飾り、無病息災を祈願します。
みなさまにとって健やかな日々が続きますように・・・