2011.11/26.

ルネ・ラリック特別展速報3 by ts

さて、特別展も残すところ2日間になりましたが、今回は1点だけ出品しているジュエリーについて書きたいと思います。

ラリックは1910年頃にガラス工芸作家に転身するまでは宝飾作家でした。ラリックの宝飾品は顧客からの注文で制作されるもので、基本的には一点制作のものです。今回の特別展出展作品を選ぶなかで、とても小さなジュエリーに出会えることができました。ハットピンです。

ロンドンのHEMING & Co. という名前の宝飾品店の箱に入っています。調べてみると英国王室御用達の宝飾店のようです。

全長9cm弱の本当に小さなハットピンですが、頭の部分には三角形のオパルセントガラスが爪止めされています。そしてそのガラスには2羽の白鳥が陰刻彫りされています。遠目には解りづらいですが、クローズアップしてみましょう。

羽の細やかなラインまでも完璧に描かれているのがわかりますよね。そしてその3方には青色エナメル彩色された睡蓮の花があしらわれています。睡蓮の池に2羽の白鳥が浮かんだイメージで作られたものなんでしょう。それにしても、とてもロマンチックです。睡蓮の茎がねじれていてデザインされているデザインはまさしくアールヌーヴォのスタイルです。

さて、裏側も見ておきましょう。

裏面の睡蓮にもきれいな彫り込みがあります。

サインはピンにLALIQUEの刻印があります。

すごく小さな作品ですが、感動的な美しさに満ちています。 ts

 

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